反応性アストロサイトを生体画像化するPETプローブ[18F]SMBT-1の開発(東北大学、メルボルン大学との共同研究)

アストロサイトは脳内環境の維持に重要な役割を担うグリア細胞として知られていますが、組織障害時に肥大化し、反応性アストロサイトへと変化します。様々な中枢神経疾患(頭部外傷、脳梗塞、てんかん、アルツハイマー病などの神経変性疾患)では反応性アストロサイトの増加がみられます。近年、反応性アストロサイトの生体画像化を目的としたPETプローブの開発が進んでおり、上記疾患の病態把握や鑑別診断、グリア細胞を標的とした治療薬開発におけるバイオマーカーとしての活用が期待されています。

アルツハイマー病患者における18F-SMBT-1 PET画像

反応性アストロサイトではモノアミン酸化酵素B(MAO-B)の高発現がみられるため、MAO-Bに結合する低分子化合物をポジトロン核種(18Fや11C)で標識すれば、PETを用いた生体イメージングが可能です。我々はタウPETプローブとして開発したTHK-5351がMAO-Bに結合し、反応性アストロサイトの可視化に応用できることをこれまでの研究で確認してきました。そこでTHK-5351の構造改変によって、MAO-B選択性に優れた新しいPETプローブ[18F]SMBT-1を開発しました。[18F]SMBT-1はMAO-Bと可逆的に結合し、脳内動態、安全性にも優れていることから、共同研究先であるメルボルン大学において臨床研究を開始しています。アルツハイマー病患者の大脳皮質では病初期からMAO-B濃度が上昇している画像(写真)が得られており、アミロイドβ蛋白やタウ蛋白蓄積、神経変性、認知機能障害との関連性について、現在解析を進めています。

18F-SMBT-1の詳細についてはこちらをご覧ください。

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